女性の健康課題と社会や企業に求められる対応

サンルイ・インターナッショナル代表の森田敦子氏が講演

森田敦子植物療法士・
サンルイ・インターナッショナル代表

日本生産性本部は2025年9月10日、第76期「経済情勢懇話会」の9月例会を都内で開催(オンライン併用)した。当日は、「女性の健康課題と社会や企業に求められる対応」をテーマに、植物療法士でサンルイ・インターナッショナル代表の森田敦子氏が講演した。

 

 

フェムテックが注目を集めている背景

森田氏は、生理痛などの月経随伴症状や更年期症状、婦人科がん、不妊治療といった女性特有の健康課題を解消すべく考えられた女性のウェルビーイングと健康のためのテクノロジー、イノベーションに根差した製品やサービスを意味する「フェムテック」が近年、注目を集めている背景として、女性性疾患の増加、女性の社会進出に伴う家計収入の増加、テクノロジーの進化、性差医療・性差ヘルスケアへの関心の高まり、女性起業家の登場などを挙げた。そのうえで、企業が何も手を打たないと、女性の健康課題の経済損失は年間約3.4兆円になるという経済産業省の推計結果を紹介した。

理解と職場環境などの適切な整備で改善を期待

また、女性の健康課題については、約7割の女性従業員が健康や体に関する十分な支援がないと感じていることや、それに対して、対策やサポートをどうすればいいのかわからないと思っている企業が約3割いるといった調査結果を説明。企業や社会には、相談窓口の設置や働きやすい職場環境の追求、医師や専門家による研修の実施、女性の健康情報の発信などが求められると述べた。
森田氏は、「より質の高い健康経営を実践していくためには、従業員一人ひとりの状況を丁寧に把握し、必要な対応を取っていく必要がある。その重要な要素の一つである女性特有の健康課題は、業務効率や就業継続にも大きな影響を与えており、経営者が十分に理解し、職場環境などを適切に整備することで改善が期待される重点的テーマといえる」と強調した。

生産性新聞2025年11月5日号:「第76期 経済情勢懇話会 第3回」掲載分

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