【サービスイノベーションの挑戦】第7回:COUXU

JETRO理事長賞 セカイコネクト

海外進出支援プラットフォーム「セカイコネクト」で、「第5回日本サービス大賞JETRO理事長賞」を受賞したCOUXU(コーク)の執行役員CPO最高製品責任者、齋藤紀臣氏は、生産性新聞のインタビューに応じた。海外進出のノウハウを低コストで提供し、日本の中小企業のグローバル化の支援を強化する考えを示した。

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中小企業の海外進出支援

同社は、アリババマーケティング社(当時)で海外進出の支援ツールの営業を通じて、日本企業の海外進出を支援していた大村晶彦氏(現・代表取締役)が2013年に立ち上げた。海外情報に触れる機会がそもそも少ない日本企業は海外進出に不利であることを痛感し、独自のサポートサービスを開始した。15年にオンラインプラットフォームのセカイコネクトをローンチした。

大村氏と中学時代からの友人だった齋藤氏は数年前に同社に参画し、主に行政・金融機関との共同事業や、セカイコネクトの機能強化を手掛ける。セカイコネクトのサービスは、ビジネスの起点が特徴的だ。自社で日々、バイヤーを開拓しており、事前に海外企業から「何が欲しいのか」「どんな日本企業と組みたいか」という調達の要望を収集し、日本企業に共有して一緒に輸出を進めている。
齋藤氏は「海外バイヤーの調達依頼(ニーズ)や情報を24時間いつでも閲覧でき、海外営業経験・営業リソースがない日本企業でも自社商品に合う案件を選んで、たった5分ほどで提案できる仕組みになっている」と話す。

トモダチドリブン海外営業

同社は「母国以外に友人であり、ビジネスパートナーをつくる」というビジョンを掲げている。「トモダチドリブン」と呼ばれる営業のノウハウは、大村氏自身の営業経験に基づいており、社員で共有することで、同社の競争力の源泉になっている。

「海外企業が欲しい商品を日本企業から調達する事業」と「日本企業の海外進出を支援する事業」の両面展開を見据える。海外進出に割くリソースが乏しいため、グローバル展開をあきらめている中小企業や地方企業は多い。安価・手軽に海外とのつながりを構築できるプラットフォームを使えば、中小企業や地方企業であっても、人口減少が進む国内市場以外に、海外市場という新たな収益源の開拓を実現することがきる。 中小企業でもすぐに活用できる海外営業ノウハウを使って、商談からリピート獲得支援まで幅広くサポートする。ツールの提供だけでなく、多言語対応や現地スタッフによるサポートも提供している。言語・商習慣の壁を乗り越えた円滑な取引を支援する。

また、2万回の商談をもとに体系化したノウハウをアカデミーという形で提供している。「海外営業人材育成プログラム(セカイコネクトアカデミー)」によって、自社でも海外展開ができるように支援する狙いだ。
OJTで実践的なアドバイスを行いながら、営業視点を身につけてもらえるよう、主にアウトバウンド営業力を養成する。サンプル依頼や初回発注が出た際の手続きや流れなども学んでもらう。こうした営業ノウハウを顧客企業のために提供する営業代行型サービス「セカイコネクトアライアンス」も提供している。

COUXUが目指すゴール

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現地に赴き足で稼ぐ

今では、世界29カ国・2500社の海外企業とチャネルを構築しており、アジア圏を中心に月間100から200件の調達要望を獲得しているセカイコネクトだが、立ち上げた当初は苦労の連続だった。「大村代表から聞くのは、サービスを始めた当初は『お金もない、人脈もないので、営業するしかなかった』という経験だ」。
例えば、目的となる海外営業・調査だけで渡航日程を終えることはしない。その後、独自にバイヤーを開拓し、海外企業とのつながりを構築する工夫を無数に行ってきた。資産となる海外企業との「つながり」を現地での「どぶ板営業」で獲得する。この蓄積でしかない。

具体的には、地元のスーパーマーケットに出向き、様々な情報を収集する。「商品に貼っているラベル」は情報の宝庫である。写真を撮って、ホテルに戻ってから、電話をかけて、営業することもあった。
こうした経験を重ねて分かったのは、「現地のバイヤーが求めている商品と、日本の顧客企業が売りたい商品は違うことが多い」ということだった。オンラインの掲示板でマッチングを促す「セカイコネクト」のビジネスモデルが誕生した背景には、足で稼いだ営業経験がある。

提供するサービスの一覧

食品は有望なターゲット

プラットフォームの価値をさらに高めるための新しい取り組みも加速させている。例えば、インフルエンサーマーケティングもそのひとつだ。「最終的なバイヤーのニーズは『消費者が買ってくれるもの』であり、消費者がすでに欲しい状態であれば、営業はかなり楽になる。日本の中小企業の商材は海外ではほぼ知られていないケースが多く、需要を先につくることが重要になる」。
さらに、自社が店舗を持って、商品を仕入れて現地で売れ続けるような仕組み作りにもチャレンジしている。フィリピン・マニラの商業施設「MITSUKOSHI BGC」でのポップアップイベントなど、東南アジアの三越を舞台にした日本商品の販売支援などを展開している。日本の食品や雑貨などのイベントを開催し、テストマーケティングや現地富裕層への直接販売を支援する狙いだ。

一過性の展示会出展で終わらせず、現地の声やトレンドをフィードバックし、国内価格の数倍でも現地で売れる値付けや商品選定のノウハウを提供している。
同社が目指すのは「あなたの“いいね”を、世界の“グッド”にしていこう」という世界観だ。国内で評価されている商品を、海外の人が「それはいい、もっと欲しい」と思う状態をつくることで、継続したビジネスの土台を築いていく。

齋藤氏は「もっと多くの企業に利用してもらい、さらに流通額を増やしたい。また、海外輸出をする企業や担当者(プレイヤー)が増えてほしい。最近は食品を求める海外企業が増加傾向であり、有望なターゲットになると考えている。日本酒や抹茶などのよく知られている食品はもちろん、現地の消費者にあまり知られていない地域の産品であっても、しっかりと売れる仕組みを作りたい」と意欲を示している。

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生産性新聞2026年6月15日号:「サービスイノベーションの挑戦第7回」掲載分
登場人物の所属・役職は新聞掲載時のものです。

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