「世界経済、緩やかに成長」

金融市場から見る社会、経済

大槻奈那 ピクテ・ジャパン
シニアフェロー

日本生産性本部は2026年1月20日、第77期「経済情勢懇話会」の1月例会を都内で開催(オンライン併用)した。当日は、「金融市場から見る2026年の社会と経済」をテーマにピクテ・ジャパンシニアフェローの大槻奈那氏が講演した。

大槻氏は、今年の世界経済は米国を中心に緩やかに成長することや、対米直接投資の拡大、トランプ口座による支援、減税、金融規制緩和も重なり、米国株には支援材料が多いこと、今年も米国では経済→株価→消費→再び経済拡大という好循環が増幅しやすいことなどを指摘した。

日本の金融・経済動向については、基調的なインフレは食品価格が落ち着けば、ある程度は沈静化することや、インフレ・マインドは人々に定着しつつあり、その影響は地価にも表れていることを指摘。さらに、日本の銀行貸出の増加が著しく、非製造業は過去30年間で最大の伸びであり、このうち貢献度が高いのは、金融、不動産、リース、個人であること、1%かそれを上回る利上げへ進む可能性が高いことなどにふれた。

世界のリスク要因

世界のリスク要因については、生成AI・IT企業成長力の不透明感や米国の個人のバランスシート劣化、米国企業の信用力劣化、中国(金融の実体が見えにくく、世界経済のかく乱要因)などを挙げた。

大槻氏は最後に、「日本のインフレと金利は明らかにこれまでとは異なるフェーズに入った。財政発散リスクを市場に意識させないためには、プライマリーバランスの維持向上とともに、国債の買い手の拡大や財政に関する丁寧なコミュニケーション等により金利を抑制しつつ、1~2%弱程度のインフレを続けることが重要な局面であり、この1、2年が正念場だ」と述べた。

経済情勢懇話会は、わが国を取り組まく経済・社会の情勢を広い視点から研究し、経営の判断や指針構築に役立てることを目的に開催している。第78期は2026年4月から2026年9月まで開催する。対象は、企業・団体のトップマネジメント・経営幹部。

生産性新聞2026年3月5日号:「第77期 経済情勢懇話会 第4回」掲載分

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