【2026年度の顧客満足度ランキング最前線】第3回:ヨドバシ・HIS・ソニー銀行/SBI新生銀行〜業態を超える「顧客体験の作り方」

日本生産性本部 サービス産業生産性協議会は、2026年9月15日に「JCSI(日本版顧客満足度指数)」の2026年度第3回調査結果を発表した。今回は、通信販売、旅行、フィットネスクラブ、銀行、クレジットカード、そして特別調査として電力小売の6業種が対象となった。今回はこの中から、通信販売、旅行、銀行の3業種を取り上げ、スコアの背景にある要因を読み解いていく。

【2026年度の顧客満足度ランキング最前線】第1回・第2回調査結果を見る ↓

通信販売業界:ヨドバシ・ドット・コムが6指標すべて首位、圧倒的な顧客体験の設計

通信販売業種では、ヨドバシ・ドット・コムが顧客満足スコア86.9で1位となった。これは通信販売平均を大きく上回る数値で、6指標(顧客期待・知覚品質・知覚価値・顧客満足・推奨意向・ロイヤルティ)のすべてにおいて首位を獲得している点が特徴的だ。

顧客満足スコア上位 調査企業・ブランド
1位 ヨドバシ・ドット・コム
86.9
ランキング対象:
<ECモール> アマゾン、Yahoo!ショッピング、楽天市場(3企業・ブランド)
<テレビショッピング・カタログ通販> ジャパネットたかた、ベルーナ、 ベルメゾン(3企業・ブランド)
<化粧品・健康食品> オルビス、 DHC公式オンラインショップ、 ファンケルオンライン(3企業・ブランド)
<家電量販店> Joshin webショップ、ビックカメラ.com、 ヨドバシ・ドット・コム(3企業・ブランド)
<衣料品店> アンドエスティ、ZOZOTOWN、ユニクロオンラインストア(3企業・ブランド)
2位 オルビス
80.6
3位 Joshin webショップ
79.8
4位 ファンケルオンライン
78.7
5位 ユニクロオンラインストア
78.4

JCSI6指標(通信販売業種)スコア2026 上位企業のみ

JCSI6指標(通信販売業種)順位表2026 上位企業のみ

旅行業界:HISが1位、僅差の激戦を制した「知覚品質」「知覚価値」の使い分け

旅行業種は、HISが77.1点で総合1位を獲得したが、2位は一休.com/Yahoo!トラベル(76.2)、4位はJTB(75.9)、5位のじゃらんnet(75.8)と、上位が僅差でひしめく展開となった。

顧客満足スコア上位 調査企業・ブランド
1位 HIS

77.1

ランキング対象:
<ネット専業型旅行サービス> 一休.com、じゃらんnet、Yahoo!トラベル、楽天トラベル(4企業・ブランド)

<総合型旅行会社> ANAトラベラーズ、HIS、近畿日本ツーリスト、クラブツーリズム、JTB、ジャルパック、日本旅行、阪急交通社(8企業・ブランド)
2位 一休.com/Yahoo!トラベル

76.2

3位 JTB

75.9

4位 じゃらんnet

75.8

特に注目したいのは、6指標スコアの知覚品質と知覚価値の関係だ。旅行業種においては、下位企業も含めて多くの企業・ブランドで、知覚品質と知覚価値が同等程度の評価となっている。そのなかで上位企業を見ると、HISとYahoo!トラベルは、知覚価値の方が知覚品質よりも評価が高く、JTBと一休.comは知覚品質の方が知覚価値よりも評価が高くなっている。これは、品質、コストパフォーマンスにおいて差別化が難しい環境のなかで、上位企業については、どちらかの特徴を打ち出せている可能性があることを示している。

JCSI6指標(旅行業種)スコア2026 上位企業のみ

JCSI6指標(旅行業種)順位表2026 上位企業のみ

銀行業界:ソニー銀行/SBI新生銀行が同率1位、ネット銀行がメガバンクを圧倒

銀行業種では、ソニー銀行とSBI新生銀行が73.9顧客満足スコアで同率1位となり、3位はドコモSMTBネット銀行(73.6、2026年8月に住信SBIネット銀行から商号変更)、4位はauじぶん銀行(72.2)と、いわゆる新形態銀行・ネット銀行が上位を独占する結果となった。

顧客満足スコア上位 調査企業・ブランド
1位 ソニー銀行/SBI新生銀行
73.9 ランキング対象:
<メガバンク・他> 埼玉りそな銀行、みずほ銀行、三井住友銀行、三菱UFJ銀行、りそな銀行(5企業・ブランド)
<新形態銀行・他> イオン銀行、 auじぶん銀行、SBI新生銀行、JAバンク、ソニー銀行、ドコモSMTBネット銀行、PayPay銀行、ゆうちょ銀行、楽天銀行(9企業・ブランド)
3位 ドコモSMTBネット銀行
73.6
4位 auじぶん銀行 72.2
5位 イオン銀行 70.1

一方、メガバンク・地方銀行を含む「メガバンク・他」サブカテゴリーでは、りそな銀行や埼玉りそな銀行が相対的に上位に位置しているものの、業種平均・全体順位で見るとネット系銀行との差は明らかである。感動指標(利用時の「うれしい」「楽しい」といった感情経験の指数)においても、auじぶん銀行が40.8で首位となっており、来店や対面を前提としない利便性・スピード感が、感情的な満足体験の創出に寄与していると考えられる。

JCSI6指標(銀行業種)スコア2026 上位企業のみ

JCSI6指標(銀行業種)順位表2026 上位企業のみ

JCSI6指標(銀行業種・サブカテゴリー)順位表2026 上位企業のみ

まとめ:業態を超えた「顧客体験の設計」が問われる時代へ

今回取り上げた3業種に共通するのは、単に価格や機能面での競争ではなく、期待形成から利用後の満足、そして次の利用意向までを一貫して高める「体験設計」が、上位企業と他企業を分ける要因になっているという点だ。JCSIの6指標や感動・失望・CSR指標は、こうした顧客体験の全体像を可視化する手がかりとなるものであり、今後も業種を超えた比較から、日本のサービス産業全体の生産性向上に資する知見を発信していきたい。
次回の第4回調査(10月発表予定)では、シティホテル、ビジネスホテル、国内長距離交通、教育サービス、生命保険、損害保険(自動車/住宅・火災)、有料特急が対象となる。引き続きご注目いただきたい。

よくある質問

Q:JCSIの6指標とは何ですか?
A:「顧客期待・知覚品質・知覚価値・顧客満足・推奨意向・ロイヤルティ」の6つです。 
  詳しくは下記をご覧ください。

Q:JCSI調査の過去の結果を知りたい
A:下記をご覧ください。過去の調査結果一覧が掲載されています。

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